日本イラストレーター協会からイラストレーターの方達を支援する為のメールマガジンを発行しています。もちろんイラストレーター以外の方もご購読歓迎です。イラストレーターをお捜しのクライアントの方は、投稿することで全国数百人のイラストレーターに情報配信が可能です。下にサンプルを掲載しましたので、ぜひ講読して下さい。発行は月2〜3回不定期です。

バックナンバー

2005年12月2日

2005年12月16日

2005年12月23日

2006年1月7日

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
       ◆♪【イラストレーターズマガジン】♪◆
     vol.37 2006.1.13  購読者数 497名
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

メルマガをご登録いただきまして、ありがとうございます。日本イラストレー
ター協会の蟹江です。このメルマガは全て、私の20数年のイラストレーター
としての経験、そしてコーディネーターとしての経験に基づいて書いています。
どのようにしてイラストレーターになったか、売り込みの仕方、料金交渉のコ
ツ、著作権問題のことなど、あなたのお役に立てれば幸いです。
▼バックナンバーもご覧下さい。
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000149729

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

前回はAcademy of Art Univercity に通う由夏さんからのメールを引用して
美術学校の講師のデモンストレーションに関してお話しました。

今回もまた丁寧なメールを頂きました。
メルマガを購読して下さっている皆さんも興味があると思いますので引用して
お話します。

−−−−−−−−−−−−−−−−ココカラ−−−−−−−−−−−−−−−
蟹江さんへ

メルマガ、本当に勉強になります!
ラフ代を出さずにラフを描かせるクライアントがいるなんて、あり得ない話だ
と思いました。
この分だと、クライアント側のミスでイラストレ−タ−がまるまる一枚作品を
やり直したところで、その分の差額すら貰えなそうですね。(私の先生は相手
側のミスで全てをやり直した時には2倍のギャラを貰った、と言っていました。)
これは仕事内容や相手にもよって大きく異なりそうですが。

コンペの話を読んで思ったのですが、仕事の進め方がデザイン会社のようです
ね。
私の知っているデザイン会社の仕事のやり方を思い出しました。

まず、仕事が(デザイナ−個人ではなく会社に)来ます。
そうすると、社内のデザイナ−皆がラフ(案)をそれぞれ出します。
その中で良さそうなものを数点選んだ代表者(社長)が、それらをプレゼンで
クライアントに見せます。
その中からクライアント側の選んだものに手直しを加えていき、仕上げていく、
というやり方です。
デザイナー達は会社からお給料が出ているので、ラフでもなんでも言われた事
を仕事としてこなしていく感じだと思います。

やはり日本ではデザイナ−とイラストレ−タ−はとても近い場所にいるんです
ね。それとも、フリ−ランスになってくると状況も違ってくるのでしょうか?

アメリカの場合もイラストレ−タ−兼デザイナ−は多いと思いますが、その場
合はデザインが本業といった感じだと思います。
つまり、デザイナ−が副業でイラストをする場合と、デザインでイラストを手
掛ける場合と、そんな感じで兼業になっているのだと思います。
イラストレーターの場合、会社に所属をして仕事をする場合はごく限られてお
り、大抵はフリ−ランスやコミッションで仕事をするようになる、と教えられ
ています。

なので、私達は学年が上がってくると、こう言われます。
「卒業してすぐ仕事がみつかると思ってはいけない。イラストレーションの仕
事とは、少しずつ入ってくるものだから、卒業したらまずはパ−トタイムでい
いから仕事を探しなさい。確実に入ってくる収入を確保しておいてから、本業
(イラストレ−ション)をやっていけばいい。スタ−バックスでもマクドナル
ドでもいいから、最低限の安定した収入を持っておくんだ!」と(笑)

これは、たとえイラストレーションの仕事がすぐ入ってきたとしても、それを
終え、その分のギャラが入ってくるまでにも時間がかかるから、という理由も
あっての事だそうです。
(アメリカは)その辺(ギャラの振り込み)がどうもいい加減なようで、長い
と半年かかったりもする、と先生の一人が言っていました。
その点、日本だとキチン毎月、月末には振り込まれていそうですよね。(どう
なのでしょうか?)

蟹江さんの仕事のペースも、とても参考になります。
資料集めとラフで一日、というのは私には到底無理な話に聞こえましたが、着
色に最低5日と聞いて納得しました。
やはり、画材やタッチによって時間をかける場所が違ってくるものですね。
私は全てが決まってしまえば、着色自体は大抵1日で終わります。
使っている画材は、今のところ水彩と不透明水彩が中心です。
水溶性の絵の具を使う場合、色や濃淡の度合いを細かく決めてからでないと、
ミスをした時に取りかえしがつかないので、ラフに力が入るのかもしれなしで
すね。

私の場合、例えば透明水彩なら(学校の課題としてですが)今のところ、ラフ
に1週間かかります。

ここからは先学期の授業の宿題の内容です。
日本の専門学校の課題と比べてみて、違いなどを教えてもらいたいです。
_________________
まず、コンセプトスケッチを数枚(最低8枚)、サムネ−ルを数枚(最低12
枚)、線画(ラフ)を一枚、バリュ−スタディ(白黒)を一枚、カラ−スタデ
ィを(最低)3枚、それに加えて資料(写真や記事の原文など)を1週間後の
クラスで発表し、そこで先生のOKサインが貰えると、やっと着色に入ります。
大抵の生徒が、すぐにはOKを貰えないので、授業中に手直しをし、OKを貰っ
てから帰宅し、着色に入ります。
学生の課題なのと、時間に制限があるのとで、大抵の生徒はクラスの終わりに
はOKを貰いますが、先生が本当に満足いっていない場合は「OK so far」を貰
いました。

これはプロになってからの仕事の仕方にだいぶ近いのではないでしょうか?
先生がクライアント(アートディレクタ−)というわけです。
__________________
(私は毎回、サムネ−ル(構図)からのやり直しをしなければいけなく、2週
間でも足りない位でした。
なので、ラフは毎回「Ok so far」でした。こんなんでプロになれるのか、、、
と悩んでいると、先生に「慣れていけば速くなるから心配せずに、とにかく今
はどんどん描きなさい!」とプッシュされます。

先学期はとても良い先生に当たって、沢山の事を学びました。
彼女のクラスは毎回デモがあったので、その際にはいつもまっ先に飛んでいっ
て一番前でノ−トを取りながら見入ったものです。そのクラスのノ−トは宝物
です!)

「一人でやっていると視野が狭くなる」 これも本当にそうですよね。
私は休み中(つまり、一人でまったく自由な状態)になると描けなくなる、と
いう癖(?)があります。これは、まさに「視野が狭くなっているから」とい
うのと、「見せる相手がいないんじゃ、張り合いがない」という理由からなの
だと思います。
やはり、コンセプトやラフを見せあって、批評しあえる仲間がいる時が一番や
る気になります。
一人でいると、ちょっと行き詰まった時に相談する相手がいないので、行き詰
まったままになりがちです。
クラスメイトでも友達でも先生でもクライアントでも、とにかく見せて意見を
聞かせてくれる相手がいてこそ!のイラストレーション=コミュニケーション
アートだと思うのです。

イラストレーションのクラスでは必ず合同で批評がありますが、他の生徒達の
意見は先生の意見ともまた違って、とても新鮮な場合も多いです。

例えフリーのイラストレーターになったとしても、他の同業者達とはいつも関
わっていられるようにしたいですね。
水彩イラストレーションのクラスの先生も学期が始まってすぐ、クラスでこう
言っていました。「ここにいるメンバーと、少しでも多く知り合い、友人を見
つけなさい。」と。

プロになって、例えば自分には合わない仕事や、仕事で手一杯の時にどうして
も断れない仕事が入ってきた場合、今までやった事のない仕事が入ってきた場
合、そんな時、一番頼りになるのは何より同業の友人だし、お互いから学べる
事には限りがないからだ、という理由だそうです。
情報交換が出来る相手が多いにこした事はない、とも言っていました。

本当に、そうですよね。
その先生の言葉には、クラスメイト達をただの競争相手としてではなく、同志
としても見る事が出来るんだな、と気がつかされました。
それに気がついてから出来た友人2人は私とは全く違うスタイル、画材が好き
で、私より数段上のレベルにいるような人達ですが、合評になると私も負けず
に発言しています。
私が彼等から影響を受け、彼等も私から影響を受け、そうやって1学期が終わ
る頃にはお互い何か新しい事を学んでいる、、、
そういう関係は一生大事にしていきたいと思っています。

蟹江さんにも良きライバルや同志が沢山いそうですね。
会社という場所はそういう人達との出会いの場でもあるんだろうと思います。
そういう意味でもフリ−ランスだけでなく、会社に入っての仕事も経験してみ
たいですね。

競争率の激しい世界だからこそ、助け合いながら前に進んでいける仲間がいて
くれる事が励みになるんでしょうね。
大学の先生達<皆プロのイラストレ−タ−>は、仲が良いというか、皆とても
いい関係なんです。
同業者だからってお互いを比べたりとか、険悪になったりというのがいっさい
見えません。
これって、実は凄い事なのでは?と思っています。

またまた長くなってしまいました。

次のメルマガ、エアブラシ工房就職のお話も楽しみにしています。
(あと、会社に入っていた時とフリーランスの時の仕事の違いなども知りたい
です。これは協会のメンバ−になるまでは企業秘密でしょうか?)

どちらにしても、いつか正式なメンバーになれるように、今学期も全力尽くし
て頑張るつもりです。
それでは。

由夏
−−−−−−−−−−−−−−−−ココマデ−−−−−−−−−−−−−−−
まず、コンペのことからお話します。
ご指摘の通り日本では、グラフィックデザイナーとイラストレーターがとても
近い位置にいます。
美術系の学校を出てもすぐにはイラストレーターとして食べていけないので、
イラストレーター志望の人も取りあえずデザイン会社にデザイナーとして就職
する人がほとんどです。

デザインの仕事は金額が大きいのです。
例えばちょっとしたパンフレットを制作するにも、数百万円のお金が必要です
から、その仕事が取れれば少なくとも数十万円の利益が出ます。

仕事が欲しい制作プロダクションは、ある程度のリスクがあってもコンペ(プ
レゼンテーション)に参加します。
実際プレゼン費が出ないケースもあります。
会社に所属しているでデザイナーは給料で働いていますから、会社の指示があ
ればプレゼン費が出ようが出まいが関係なく、プレゼンの為にカンプ(ダミー)
を作ったりする訳です。

デザイナーにとってはそれがあたりまえの行為なんですね。
だからそのやり方をイラストレーターにも摘要しようとする人がいます。
イラストレーターは1枚描いてなんぼの世界ですから、トータルで数百万円に
なるように仕事はめったにないんです。

「プレゼンだからお金は出ないよ」などど言われるととても生活していけませ
ん。
でもイラストレーターも暇な時は仕事が欲しい為に、「只でもいいからプレゼ
ンに参加させて下さい」と自分から申し出ることもあります。
こういう場合は自主プレになるので、お金が出ないケースが多いです。

長くなりましたので今回はこの辺で、次回はイラストレーターの副業に関して
お話したいと思います。

お楽しみに・・・

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>>【第2回日本イラストレーター協会展】

★2006年5月山脇ギャラリーにて開催決定!!★

現在参加者募集中!!

▼詳しくはこちらをご覧下さい。
http://jpn-illust.com/kyoukaiten/index.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>>【イラストレーター年度賞の作品募集】

プロのイラストレーターであれば日本イラストレーター協会の会員でなくても
応募できるようになりました。

▼詳しくはこちらをご覧下さい。
http://jpn-illust.com/BIOY2.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼イラストレーターをお探しの方はこちらをご覧下さい。
http://jpn-illust.com/illust.html

▼JIA活動内容について説明しています。
http://jpn-illust.com/first.html

▼入会案内はこちら。
http://jpn-illust.com/join.html

▼会員の作品を展示しています。
http://jpn-illust.com/gallery/index.html

▼イラストレーターの仕事を評価する年度賞です。
http://jpn-illust.com/nendo/index.html

▼イラストの作品集に掲載するイラストレーターを募集しています。
http://jpn-illust.com/nenkan/index.html

▼JIA会員のリストです。会員のホームページにリンクしています。
http://jpn-illust.com/list/index.html

===================================

■ 発 行 元 : 日本イラストレーター協会(JIA)
■ 発行責任者 : 蟹江 隆広

▼蟹江隆広のプロフィール
http://221.242.216.115/profile/kani_prof.html

まぐまぐより月2〜3回不定期で発行 マガジンID:0000149729

▼バックナンバーもご覧下さい。
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000149729

===================================


イラストレーターズマガジン (マガジンID:0000149729)

メールマガジン登録
メールアドレス:

メールマガジン解除

メールアドレス:

Powered by まぐまぐ


投稿ご希望の方は以下の項目を書き、こちらまでメール下さい。

イラストレーターズマガジンを購読している方のみ投稿できます。

  • タイトル(20文字以内)
  • 本文(35文字×10行以内)
  • ホームページアドレス(トップページのURL)
  • お名前(ペンネーム可)